閉所恐怖症

対人恐怖症・視線恐怖

対人恐怖症の中に、視線恐怖症があります。

 

これは、自分の顔や行動などが他人から奇異の目で見られているように感じて緊張してしまったり、または危害を加えられるように錯覚して恐怖感を抱いたりする症状の精神疾患です。

 

分かりやすく言えば、自分が周囲に変に思われているのではないだろうかと考えて絶えず周囲を気にする症状で、一種の被害妄想、自意識過剰の状態です。

 

そのことを捉えて、「気のせいだよ」、「誰も君を襲ったりしないよ」、「大丈夫」などと助言や励ましの言葉を送る人もいますが、助言者の言葉の裏には「何だ、その程度のことか」という安易さが隠れていると考えられます。しかし、本人にとっては深刻な問題なのです。

 

人の視線が気になり、行動がぎこちなくなってしまう、目の前のことに集中できなくなってしまうということから、仕事や勉強の能率が上がらない状態を招きます。

 

また、周囲の目を気にするあまり、対人関係を築いていくのが困難になってしまうという弊害が現れ、重度の場合は、社会生活を営むことも困難になる病気です。

 

他の対人恐怖症の症状には、この視線恐怖症の要素を含んでいることが多いため、対人恐怖症の中でも、視線恐怖の症状に悩んでいる人が一番、多いのではないかと言われています。

 

視線恐怖症は、周りの人の視線が気になってしまうという症状の場合は、「他者視線恐怖症」と呼ばれます。

 

視線恐怖症は、厳密に言うと、「他者視線恐怖症」の他に「自己視線恐怖症」や「正視恐怖症、脇見恐怖症」があります。

 

「他者視線恐怖症」は、他人からの視線に恐怖を感じる症状ですが、「自己視線恐怖症」の場合は、自らの視線を気にします。

 

つまり、自分の視線が不自然と思い、またその視線が人へ不快感を与えていると気にします。この症状を患う人は、自分の視線のやり場がないことに苦しみます。

 

「正視恐怖症」とは、人の目を見て話せなくなった状態を指します。
人と接する場合、向かい合って話すことが非常に辛く感じ、相手の目を見て話すことに恐怖を感じます。

 

「脇見恐怖症」は、脇見するような形で、人を見てしまう症状です。

 

視界に人が入ると意識してしまい、「見たくない」という意思に反して、視線を相手へ傾けてしまいます。その視線を相手方も感じ取り、不快感を示すことがあるので、見てしまった本人は自己嫌悪や罪悪感を抱きます。

 

何が原因で、これらの視線恐怖は発症するのでしょうか?

 

協調性を求められる、日本独特の社会性、自己主張を好まない世論によって作り出された障害とも言われていますが、個々には様々な原因があります。

 

性格や育った環境、体質的なものにあることが多いのですが、例えば、大勢の人の前で恥をかいた経験がある場合に、元々の引っ込み思案な性格が重なって、二度と恥をかきたくないと思う気持ちが高じ、他人の評価を気にする意識が強まって視線恐怖症になったというケースがあります。

 

また、育った環境の影響では、親が厳しく叱る家庭で育った人の中に、親の目を極度に恐れるクセが、視線恐怖症の原因になった例もあります。

 

視線恐怖症に悩んでいる人は、何らかの劣等感を抱えていたりします。自信のなさが、引っ込み思案な性格を形成し、そのことで他者の視線を感じたくないという心理を生んで発症する場合もあります。


> 治療法には大きく分けて薬物療法と精神(心理)療法の2つ

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